フレンチレストラン シャルメ

【卒業生のレストランで行う特別相談会】


 2011年6月18日(土)、当店のオーナーシェフである萩原正人が卒業した、辻調理師専門学校(以下、辻調)の特別相談会(学校説明会)を開催いたしましたので、Webサイト管理人よりご報告いたします。
 同相談会では、辻調の先生方・進学をお考えの高校3年生の方々(30名ほど)をお迎えし、シェフの萩原・見習いシェフで辻調卒業生の今村が、お話をさせて頂きました。


 試食会も兼ねていましたので、以下の料理をお出しいたしました。
<前菜>
聖護院大根のムース 辛味大根のジュレ 鶏肉とフォアグラのリエットを添えて [pic]
<魚料理>
鯛のポアレ 越谷ねぎのラグー ちぢみほうれん草・卵黄・生ハムのソース [pic]
<肉料理>
乳飲み仔牛の玉ねぎ煮込み 冬瓜・山芋のドフィノアを添えて [pic]
<デザート>
ブルーベリーとココナッツのマドレーヌ風ケーキ、そば茶のジュレ


 「こんなに大勢の前で話すことなんてないので……」と終始緊張気味の萩原。それは見習いシェフの今村も同様だったようです。

 萩原が食の業界へ進もうと思ったのは、高校2年生の頃。卒業生は大学進学がほとんどという有名高校に通っていましたが、「ラーメン屋で修業する」と担任に相談。すると「ラーメン屋だとラーメン屋しか進む道がないから、せめて専門学校へ進学してくれ」と言われたそうです。
 そこで様々な調理師の専門学校のオープンキャンパスなどに参加し、辿り着いたのが辻調。食材や設備などが本格的で、学ぶならここと思ったようです。
 エコール辻 東京へ進学後、フランス校へ留学した萩原。大きなお城が学校で、彼いわく「夢の国でした」。三ツ星レストラン同等の調理場や尊敬できる先生方に囲まれて勉強し、卒業後は二ツ星レストラン『クロード・ダローズ』にて修業。

 帰国後、都内の有名店で修業している間も「お店を出すなら自分の地元の吉川で」とずっと独立を考えていて、2005年7月1日、CHARMERを開業。
 吉川を選んだ理由として「価格が高いレストランばかりで働いていましたが、おいしいものをもっと気軽に食べてもらえないかと思ったこと」「周辺で本格的なフレンチレストランが見当たらなかったこと」を挙げていました。
 経営が軌道に乗るまでは、「暇な時間があると怖くなった」、また「春の計画停電で営業ができなかったときは落ち込んだ」そうです。その際、常連のお客さまに「営業再開を待っていました!」と助けて頂いたエピソードでは、一同がほろりとする場面も。
 「現状に満足するとそこで終わってしまうので、常に上を目指していく」―――この彼のポリシーがあってこそ、CHARMERが成り立っています。

 まだ若い今村も、オープンキャンパスに行って辻調に決めた1人でした。本場の作法や技術を学び、「先生は全員卒業生」という特徴を生かした授業を受け、充実した日々を送ったようです。
 座学よりも圧倒的に実習が多い辻調ですが、授業のなかには生徒同士で料理を作り合うこともあったとのこと。「食べてくれる人、料理を出すスピード、味だけでなく見た目も、それまで以上に意識しました」と、学生時代の思い出を話していました。
 卒業生の先輩として、「“どうしてそこでそうするのか”、(その工程に)興味を持つことが大切です」と未来ある後輩たちへエールを送って終わりました。

 最後の質問コーナーでは、
・お店を開くにあたってどのようなことを考えたか
・修業中、毎日どれくらい働いていたか
・どのようなことを心掛けて運営しているか
など、現実的な回答を求める声が多数あり、しっかりと先を見据えようとする高校生の姿勢が見えました。

 「生徒さんたちに私の思いが少しでも届いてくれたら」と萩原。
 専門学校は夢への第一歩。その実現を目指して頑張ってほしいですね。

(文・写真:Webサイト管理人)